火. 3月 19th, 2024

理事長所信

感 動

~次世代のために~

私は、沖縄で生まれ、新潟で育ち、北海道で生きている。
すべての地がふるさとであり、すべての地に大切な仲間がいて、多くの人に育てて頂いた。生来、縁のなかったこの砂川の地で、多くの仲間と共に運動でき、63 年目の歴史を紡げることに感謝します。
私たち青年は、息づく地域の未来のために、想いを興し、ひとを興し、まちを興していく感動をつくり出します。

第63代理事長 仲里 浩

仲里浩

はじめに

1949 年「新日本の再建は、我々青年の仕事である」と高き志を立てた青年により、日本経済の発展に寄与する団体として青年会議所運動が始まり、先達の熱き想いは日本中に伝播され、ここ砂川においても全国 203 番目のLOM として、1960 年に砂川青年会議所が誕生しました。発足以来、まちのため、次世代のためにと、メンバー間の相互啓発と社会への奉仕を通じて、連綿と地域の活力を生み出し続けてきました。しかし、全国的な景気低迷、少子高齢化の問題を抱えた中で、2020 年初頭から始まった新型コロナウイルスによるパンデミックや世界情勢の影響によって、私たちの日常が否応なく変えられてしまった現実があるからこそ、時代の変化を捉えた青年会議所運動を展開する必要があります。
どの地域からもインターネットを通じて、一人ひとりが情報発信し活躍できる現代において、様々な価値観や人格が尊重される温かな枠組みとして地域が存在すること、地域というステージを用いて人々の心を高揚させる体験を生み出すことが、持続可能な地域づくり、すべての人が一定以上の幸せを感じられる社会づくりのための重要なキーワードです。未だ屋外においても、大人だけでなく子供たちもマスクによってその表情は隠され、人と人が手を取り合い、笑い合うことも憚られてしまう、そんな閉塞感を打ち破り、このまちの表情を、市民や子供たちの表情を明るく希望に満ちたものへ変えていきたい。
私たちの運動は、有り余る資金や時間的余暇から生まれている訳ではありません。私たちの運動は、今目の前にいる愛しい家族や大切な人を笑顔にしたい、このまちをもっと住みよいまちにしたい、そんな想いから生まれています。個々の能力や時間に差はあったとしても、一つ一つの想いや願いを結集させた組織がこの砂川青年会議所です。想いをもって実行される運動は、必ずまちの景色を人々の目の輝きを、少しずつ明るく変えていきます。
感動こそが人の心を動かし、その心がこのまちの表情を変えていく。
感動でつながり、感動しながら、皆と生きていきたい。

子供たちに生涯忘れられない感動を

 砂川市では、時代の変化や様々な課題を捉えながらまちづくりの基本となる総合計画を昭和 41 年以来策定し、令和 3 年より砂川市第 7 期総合計画を打ち立て、10 年後令和 12 年の将来人口 15,000 人という高い目標を掲げ、市民の笑顔が絶えないまち、持続可能なまちを目指し、市民と行政による協働のまちづくりに取り組んでいます。そんな中、このまちの未来を担う子供たちの減少や様々な教育課題へ対応するため、小中学校を統合した義務教育学校が設立されるなど、子供たちを取り巻く環境は常に変化しています。これまで以上に地域と教育現場、青年会議所が連携し、変容し続ける社会を生き抜いていく子供たちの精神を育むため、故郷での生涯忘れられない大きな感動を創造する必要があります。
この地域独自の様々な魅力や文化風土に触れる機会、新しい時代を生き抜く学びを得る機会を創出し、多くの子供たちや市民を巻き込んだ「心・体・感性」を動かすまちづくり運動を展開することで、子供たち一人ひとりが主役となる、輝くような故郷での原体験を生み出します。故郷での記憶に残るインパクトある感動は、自他の存在を尊重する感性、このまちへの愛郷心や感謝の想いを育み、このまちで住み暮らし続けたいという想いや自分自身も更なる次世代へ感動を引き継ぎたいという想いを抱く子供たちを増やし、このまちの未来をさらに明るい豊かなものへと変革させていきます。

自ら動き、包摂の精神で、感動を生み出す人財へ

 私たち砂川青年会議所は、次世代のためにとより明るい豊かな社会を目指し、運動を展開していますが、多様性と包摂が叫ばれる現代において、地域を牽引するリーダーとして、求められている人格とは一体どのようなものだろうか。しばしばテレビやネットのニュースで散見する凄惨な事件や事故を防ぐために必要な心構えとはどのようなものであろうか。私たちは困難や苦境に直面し、その苦しい状況を変えるための力をもち合わせていないと感じた時に、自身や他者へ失望し、やがては絶望するのではないでしょうか。諦めて歩みを止めてしまう前に、私たちには常に現状を変えていける可能性があり「より活気溢れる明るいまちへ変えていく」「自らの手で人生を豊かな方へ導く」という肯定的精神姿勢を改めて学ぶ必要があります。そして、LGBTQ+に始まる人間の個性や人格を尊重する社会実現に向け、多様化する価値観を受け入れる包摂の精神を学ぶ機会を創出し、すべての人々が幸せを感じることのできる精神的素地を、メンバーのみならず多くの市民へも伝播させる必要があります。
自らが動かなければ、目の前に見えている世界も変わりません。捉え方やアプローチを変えることで現状の課題を打開する活路を見出し、自らの人生の果たすべき使命に向き合い希望と感動を生み出す人財へ成長し、様々な個性や多様化する価値観を包摂できる精神をもち、地域内外での様々なコミュニティ、ビジネスやプライベートにおいても周囲へより良い影響を伝播させていくリーダーたる人財を増やします。

次世代の LOM へつなぐ会員拡大

近年、砂川青年会議所では積極的な会員拡大により会員数純増に成功し、行政や市民からの指示を受けながら時代の課題に則した大規模な事業や運動を展開しております。その反面、入会年数が若い会員が多く、直近 2 年間で経験豊富な正会員の 40%以上が卒業し会員数が大きく減少する現状があり、これからも力強く青年会議所運動を展開していくために、これまで以上に青年会議所運動への共感や気づきを得ることのできる会員拡大運動を展開していく必要があります。
まずは私たち自身が青年会議所運動の意義、会員数の重要性、友情の尊さを改めて学び、メンバー全員で行う会員拡大への意識を醸成し拡大運動を最大化します。そして、これまで以上により多種多様な職種や個性をもった若者へ、運動や活動を実際に体験してもらう機会を創出し、共に地域へ変革をもたらす経験や学び感動することで、砂川青年会議所への理解を深めます。感動を伴う経験には、人の心を動かし、その後の行動をも変容させる力があります。メンバー全員で取り組む会員拡大運動には、すべての青年の人生を感動に満ちたものへ変容させ、成長と発展の機会をもたらす、やがてはまちそのものの表情を一変させる可能性が秘められています。一人ひとりの新たな仲間との出会いは、これまで以上に力強い運動を展開する、次世代の砂川青年会議所の活力と組織力を生み出します。

想いとプロセスを伝え、共感を得る全員広報へ

 創設以来 63 年間連綿と受け継がれてきた、このまちや次世代のためにと熱い想いを胸に、メンバー一人ひとりの力を結集させた運動や事業を実施し、地域へインパクトを与え続け、これからの活動へ大いに期待を寄せられています。しかし、未だ市民からの組織への理解や認知度は十分とは言えず、今後もより一層、多くの感動をもたらす事業を行うためには市民からの強い共感を得る広報を展開する必要があります。
SNS やホームページといったインターネット、広報誌発行など従来の広報活動からも多くの情報発信を行っていますが、より多くのメンバーが広報活動に携わり、メンバー一人ひとりの個性や想い、事業へ向けたプロセスそのものを発信する全員広報を行うことで、メンバーの人柄や情熱を伝え組織への興味関心を高め、市民からの共感や運動への理解へとつなげます。関心を高く抱いてくださる市民の皆様、私たちの運動へ期待や共感を寄せてくれる地域の皆様は、私たちの運動へのファンと言えます。ファンを一人でも多く獲得する、人の心を動かす広報活動を行い、砂川青年会議所の運動の効果を最大化させます。
事業や運動が構築される段階からプロセスやストーリーを伝える全員広報は、組織内外に多くの期待感と感動を伝播させ、さらに活気あふれる運動へとつながり、より多くの笑顔を生み出すという好循環をつくり出します

全てのメンバーが活躍できる組織へ

 砂川青年会議所は、近年多種多様な職種、市外に勤務・居住しているメンバーも増え、組織の基盤たる人員の増強に成功していますが、すべてのメンバーがその個性や能力を十二分に発揮し活躍するためには、組織をつなぎ合わせる細かな気配りや思いやりをもった組織運営を行う必要があります。
総会、理事会などの諸会議の設営や円滑な運営、各種情報の連絡やスケジュール管理、財務や人事情報の管理など総務委員会が担う役割は重要かつ多岐に渡りますが、様々な勤務体系、ライフステージのメンバーが取り残されることなく誰もが活躍できる組織へと変化するために、育 LOM の推進をはじめ、運営の改善の余地がないかこれまでの慣例を常に見つめ直し、これから 5 年 10 年先の砂川青年会議所がより活力溢れる運動を展開できるようコンプライアンスを遵守した透明性のある組織運営に努め、組織の対内外からの一層の信頼を高めます。各メンバーへ配慮した円滑な組織運営は、例会事業への参加率を高め、更なる新しい経験や役職へ挑戦したいという気風を作り、より質の高いモチベーションをもった組織を生み出します。

 

 

  

結びに

私は 18 歳の時から踊りを踊っている。大の運動音痴である私は、踊りから多くのことを学んだ。その中で得た一番大きな気づきは、踊りには嘘が無く、心の内側のすべてがさらけ出されるということ。そして、たった一秒あれば世界は変わること。私は子供たちに踊りを指導する機会が多く、指導の際に投げかけた一言が子供たちの心に響いたとき、友達の踊りや想いに感化されたとき、今まで何百回と練習をしてきた同じ振り付けが、目を見張るような感動的なものへ生まれ変わる瞬間を何度も見た。そんな時、子供たちの表情は実に晴れやかだ。


一秒前まで、この感動は、世界に存在しなかったもので、


一秒前まで、この高揚感を、子供たちは知らなかった。


本当に魂を揺り動かす、心からの感動や気づきには、人々の目の色を変える力がある。

「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。」

哲学者ウィリアム・ジェームズの有名な言葉であると思うが、私もあらゆる活動をこの想いをもって行っている。そして、2015 年に入会したこの砂川青年会議所で、仲間と共に培ってきた経験や仲間の眩いばかりの生き様からも、改めて、この言葉の大切さを強く確信している。
爆発するような熱い想いをもって、多くの市民や子供たちの目の色を変えるような感動を、まちの空気を変えるような感動をつくろう。

私たちが愛する次世代のために。